研究課題/領域番号 |
17406030
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
佐々木 明子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (20167430)
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研究分担者 |
山田 晧子 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (00261678)
小野 ミツ 広島大学, 大学院保健学研究科, 教授 (60315182)
桂 晶子 宮城大学, 看護学部, 講師 (00272063)
森田 久美子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助手 (40334445)
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キーワード | 配偶者 / 看取り後 / 独居高齢者 / QOL / 地域ケアシステム / 国際研究者交流 / スウエーデン:フィンランド / 予防訪問 |
研究概要 |
本研究の目的は、配偶者看取り後の独居高齢者の、1.心身の状況と生活状況を把握する。2.QOLを構築するプロセスを1)介護満足感、2)悲嘆、3)対処行動、4)支援体制の4側面から検討する。3.QOLを高めるための効果的な地域ケアシステムを明らかにすることである。 北欧のスウエーデン、フィンランド、日本の3ヶ国において、配偶者看取り後の独居高齢者の生活と意識、浮沈図を用いたQOLに関する訪問面接調査及び、看護師、社会サービス職員、高齢者ケアの専門家から、独居高齢者を支える地域ケアシステムに関する聞き取り調査を行い、比較検討した。 1.フィンランドでは、モデル事業による75歳以上の高齢者全数への予防訪問が、配偶者看取り後の独居高齢者の自立した生活の維持、うつ状態、認知症の早期発見、早期医療へのアクセス、社会サービスの紹介などにおいて重要な機能を果たしていることが明らかとなった。 さらに、フィンランドでは、家族介護者のサポートグループが配偶者看取り後も独居高齢者の精神的支えとなっていた。また、教会に所属するチャーチナースによる遺族支援のグループ活動や、個別訪問、相談が配偶者看取り後の独居高齢者の支援で重要な役割を果たしていることが明らかとなった。 2.スウエーデンでは、日本に比べて即居家族、友人との電話等による日々の精神的交流が多く、配偶者看取り後の独居高齢者の支えとなっていた。また、24時間ケアサービス体制と、食料品などの日用品の配達サービスによる支援が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。 3.3ヶ国において、男性の独居高齢者で家事能力が低い場合、在宅生活の維持が困難であった。 以上から、配偶者看取り後の独居高齢者の支援には、高齢者全数への予防訪問の実施、家族介護者支援グループ活動の継続化、家事能力支援、生活再構築の支援、精神的支援の重要性が示唆された。
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