研究概要 |
重み最小の2-カットを求める問題は0(nm)時間程度で解けることが知られているが,kを変数と見たときには,最小k-カット問題はNP-困難になることが分かっている.本研究では,初めて最小k-カットを厳密に求める決定性アルゴリズムの計算量を0(n^{0(k)})に軽減することに成功した.与えられた最小k-カットの問題例を高々0(n^{2k-5})個の最小(k/2)-カットの問題例に帰着できることを証明し,この事実に基づく分割統治法型のアルゴリズムを設計した.提案したアルゴリズムの計算量は,(n{4k})であり,すべての最適解を求めることもできるのが特徴である. 与えらたグラフ$G=(V, E)$に枝を最小本数付加して,その直径を指定された整数D以下にする問題は,グラフGが任意であれば,P=NPでない限り,定数倍近似のアルゴリズムが存在しないことが知られている.また,グラフGが森であり,Dが奇数である場合に,問題が定数倍近似可能であるかどうかも未解決であったが,本研究において,この疑問に対して肯定的な答えを与えた.具体的には,グラフ$G$が森であり,Dが奇数である問題に対して,0(|V|^3)時間の8倍近似アルゴリズムを見出した.さらに,増大されたグラフが直径制約以外にも2点連結であることを要求にとして加えた場合には,4倍近似の答えを線形時間で求められることを示した.
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