研究概要 |
平成17年度は単一CPUシステムを対象として,仮想機械環境におけるCPU時間予約に関しての研究を行った. CPU時間予約とは,プログラムを実行し適切な結果を出すために必要となるCPU時間を得ることができるよう予め確保し,実行時に確保したCPU時間を提供可能にする機能である.通常のオペレーティングシステム環境では,実行パラメータからそのプログラム(タスク)が実行可能かどうか判定することができるリアルタイムスケジューリングを用いることにより,CPU時間予約が可能である.同様のことを仮想機械環境にて行うためには,まず仮想機械環境内でCPU時間予約を可能にするために必要なリアルタイムスケジューリングによりタスクが実行されなければならない.また,仮想機械環境を実現・実行するレイヤは,各タスクの実行パラメータに従って,仮想機械環境を実行できるような機構が必要となる.仮想機械環境を実現・実行するレイヤは,仮想機械環境を通して得られる各タスクの実行パラメータを用い,仮想機械環境に対しCPU時間割り当てを行う.CPU時間を割り当てられた仮想機械環境は,その時にそのCPU時間を必要とするタスクに対しCPU時間を割り当てる. 上述の機構を実現するために,まずリアルタイムスケジューリングを提供するITRON実時間カーネルを仮想化し,CPU時間予約に必要な実行パラメータに従ってタスクをスケジューリングする仮想機械環境を構築した.
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