研究概要 |
平成18年度は,仮想機械環境でCPU時間予約を可能にするスケジューリング理論および資源管理フレームワークのプロトタイプを評価し,機能拡張を行った.スケジューリング理論は,仮想機械環境でのCPU時間予約要求を統合することで,仮想機械環境を実行するOSカーネルが十分なCPU時間を仮想機械に与えることができるようにする.仮想機械環境においては,スケジューリングは仮想機械環境を実行するOSカーネルによる仮想機械のスケジューリングと,仮想機械環境内でのタスクスケジューリングに分離されてしまう.従って,それぞれのスケジューリングを分けて考えることができるように,仮想機械における複数のタスクによるCPU時間予約要求を統合し,仮想機械環境を実行するOSカーネルが仮想機械をスケジューリングするパラメータを抽出する.資源管理フレームワークは,スケジューリング理論に基づきCPU時間割り当てを行う.仮想機械環境を実行するOSカーネルに対しては仮想機械のスケジューリングパラメータを与え,仮想機械環境内ではカーネルにより割り当てられたCPU時間が各タスクに再分配することにより,仮想機械環境でのタスクのCPU時間予約要求とそのスケジューリングパラメータとの対応を管理し,CPU時間予約要求が満たされるようにスケジューリングを行う. 平成18年度は,上記のスケジューリング理論とフレームワークを実現するための仮想機械環境の試作も行った.プロトタイプはIntel IA-32プロセッサ上で動作し,オペレーティングシステムとしてLinuxおよびRTOSを実行可能にすることができた.
|