平成17年度は下記項目1.に述べたシステムの新規構築に時間を費やしたため、上記の研究成果については現在、雑誌への投稿準備中の段階である。研究概要は、神戸大学大学院自然科学研究科情報知能工学専攻修士論文「知識表現を利用したソースコード検索システムのカスタマイズに関する研究」(宮西一徳)にまとめられ、公開されている。 1.オントロジのカスタマイズが可能な検索システムの構築 本研究ではこれまで、検索システム自体が十分豊富な語彙をオントロジとして備えており、任意のソースコードに対して同義語などの解析を行うとしていた。しかし、あらゆる応用領域に対して有効なオントロジを構成しようとするのは現実的ではない。そうではなく、検索を行う利用者が目的の応用領域に特化したオントロジを用意しておき、そのオントロジを利用して検索できるようにすれば、オントロジの構成も容易であり、さまざまな応用領域にきめ細かい対応が可能となる。このような方針に転換をしたため、本年度は検索システムを新たに設計、開発しなおした。 2.他の情報システム向けに作成されたオントロジを検索に利用できることの検証 本研究で、知識表現の枠組みとしてセマンティックWebを利用する狙いは、他の情報システムで利用される情報も利用できるようにすることにある。そこで、新たに作成した検索システムに、別の用途向けに作成されたオントロジを適用して検索を行い、オントロジで定義されている語義に従ってシステムが動作することを確認した。
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