平成17年度までの成果のうち、ソフトウェア再利用に関する側面に関しては「ソースコードのバージョン問比較による情報抽出とソースコード再利用への応用」(小西、荻原)として発表した。オントロジを用いたソースコード検索システムに関する研究は論文誌に投稿を行ったが「実効性に関する検証が十分ではない」という理由で不採録となっている。そのため、現在、検索の効果を客観的に評価可能な実証実験について検討を行っている。 平成18年度は、上記の研究発表のほか、下記に示す研究を行った。これらについても論文として発表できるように準備中である。 1.ソフトウェアプロダクトからのオントロジ作成手法に関する研究 オントロジを用いればソースコードの検索が効果的に行えるが、オントロジ自体をどのように作成すべきかが問題となる。そこで、相互に関連性のない複数のソフトウェア開発プロジェクトのドキュメントを相互に参照することによって、情報処理に関する一般的な語と、プロジェクトに特有な語を自動的に判別する方法を提案した。この研究成果は、高知工科大学の卒業論文「ソフトウェアプロダクトからのオントロジ作成に関する研究」(仁尾直生)として公開されている。 2.バージョン間の差分情報の利用 これまではソフトウェアのある時点でのバージョンに関して検索を行うことを前提としていたが、あるキーワードに関連する変更がどのバージョンで行われたのかを知りたいこともある。そこで、ソースコードの更新に伴う差分情報に対しても検索を行う方法を提案した。この研究成果は、高知工科大学の卒業論文「バージョン間の差分情報を利用したソースコード検索システムに関する研究」(北川智大)として公開されている。
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