研究概要 |
本研究の目的は高品質なソフトウェアを効率よく開発するための基盤技術として,ソフトウェア開発における定量的管理プロセス最適化のための技術的フレームワークを確立することである.とくに近年アジャイル手法として注目を集めている軽量型開発プロセスから従来の日本式重量型開発プロセスにまで幅広く対応可能な柔軟性を重視した設計を行うことを方針としている. 平成19年度においては,昨年度の成果(実企業に向けての定量的プロセス管理の実態調査,プロセスの記述とパターンの探索,記述)をさらに進め,パターンのライブラリ基盤を整備した.具体的内容は次のとおりである. (1)実開発現場から抽出した管理プロセス指標を元にその定義構造を分析・洗練することで,指標及びその基礎データ群のもつ単位系をモデル化した. (2)(1)のモデルを元に,プロジェクト毎の性質に応じて,管理の精度を調整することで,管理プロセスカスタマイズ(これをテーラリングと呼ぶ)を支援するシステムを試作した.このシステムにはユーザが標準プロセスに対して適用したテーラリングの内容を収集・記録する機能を含める.実企業による試作したシステムの運用・評価については現在調整中. (3)(1)での成果を17年度より開発を進めているプロセス・パターン蓄積のためのシステム(パターンリポジトリとオーサリングツール)に反映させる作業を行った.
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