研究概要 |
本研究課題では,パターン抽象化と発見によるマルチエージェントプロトコル開発に関する研究を行い,本年度は以下に述べる成果を得た. 前年度から継続して,インタラクションの主要部分をXMLで記述する方法を開発し,実例を用いた評価実験を行った.この実験から,インタラクション中の本質的でない部分,あるいは意図的に公開しない部分などを隠蔽する必要があることが判明した.このために,変数付き木構造の考え方を自然に拡張し,XMLでの表現の一部を変数化するという方法を開発した,変数化した部分には補助的な情報を付加しておき,状況に応じて可能な操作を変えるという一種のアクセス制限も実現した.この開発により,エージェントプロトコル言語としての実用性が強化できた.木構造に対するデータマイニング技術開発については,前年度までの方式の高速化開発と実装を行った.本研究で開発した木構造に対するデータマイニングの将来性を示すため,ソフトウェア工学での他分野での実験も行い,ワークフローなどへの適用も有効であることの実験結果を得た. 本研究を通じてデータマイニング技術に関する多くの実験例を収集できたので,入門的なテキストを分りやすく改訂して出版した.
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