研究概要 |
パターン抽象化と発見によるマルチエージェントプロトコル開発に関する研究を行い,以下に述べる成果を得た。 エージェント間のインタラクションの主要部分を一種の木構造として見なす手法の開発を行った.インタラクションを実現するためのエージェント間交信言語は,FIPA等でも標準化されているようにXMLを用いて記述することができるため,木構造による表現が可能である.本研究では,木構造に変数を持たせ,それを他の要素で置き換えた類似の木構造が表現できるようにした.この開発により,本質的には同一であるが,細部のみが置き換わっているインタラクションを変数付きの木構造で表現できるようになった.すなわち,インタラクションを変数付き木構造を用いてパターンとして表現することができるようになった. ソフトウェア開発では,過去の成功事例の再利用が重要である.本研究では,上述したようにパターンとして表現されたインタラクションに対して,データマイニングの手法を適用する方法を開発し,複数のインタラクションに共通する構造の核となる部分を自動的に抽出することを実現した.これらはパターンからさらに核を取り出したものであるため,抽象パターンと見なすことができる.過去の事例を集めたデータベースから抽象パターンを発見し,自由に参照できるようにすることで,再利用にもとづく開発が可能となる.以上が本課題で得た研究成果の概要である.
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