研究概要 |
本年度は初年度に行った自己組織化可能なセンサー網のモデル化の妥当性を検証するとともに、センサーフュージョンの基礎的な研究を行った. 1.センサー網のモデル化の拡張と妥当性の検証 初年度は自己組織化可能なセンサー網のグラフ理論的モデル化に関しては,センサー網を含むアドホック無線ネットワークに対する以下の特徴を持ったモデルを構築した. (1)動的に変化するネットワークを取り扱える. (2)ネットワークのスケーラビリティに対処可能な階層的構造(クラスタ構造)を持つ. (3)最も基本的な操作であるブロードキャストが効率的に行うことが出来る. 本年度はこのモデル化の改良及び拡張として,ブロードキャストの高速化,センサーフュージョンの基礎となるデータ収集のアルゴリズムの効率的な実現を行った.また,それぞれの操作はネットワーク中のクラスタ数に依存するめで,クラスタ数を減少させるようにアーキテクチャを改良した.さらに,無線網における基本操作である番号付けに対して,最適な計算時間のアルゴリズムの与えることに成功した. 2.分散センサーフュージョンの基礎的研究 センサーフュージョンの基礎となるデータ収集に関して、本研究で構築したモデルのもとで効率的に実現できるアルゴリズムを与えた.分散センサーフュージョンに関しては,(a)故障耐性の高いロバストなセンサーデータ処理。(b)ノードでのフュージョン能力とセンサー網全体としての役割,(c)センサー網の自己組織化とセンサーフュージョンの関連性.今後,これらの調査を基に,上記モデル上での分散センサーフュージョンを検討する予定である.
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