研究課題
本研究課題については、研究代表者が組織再編などの大学内業務に従事していたこともあり、当初計画よりは進行が遅れる結果となった。これについては2年目の作業計画において遅れを取り戻し、当初計画に見合う研究成果に結びつけていく所存である。本課題に関する研究として、本年度は音楽の音響的特性、特に音声・歌唱の特徴についての理論的・実験的な分析と、それを応用したシステム開発を行った。このうちVoice Drummerは打楽器音を模倣する音声入力により、楽曲の検索や作編曲支援を行うシステムである(「研究発表」の1)。楽曲検索については、個人適応設定では90%を超える認識率を達成している。また歌唱データベースのデータを利用して、歌唱力の評価に関わる音楽音響的特性の分析と、その自動評価への応用の研究を進めている(「研究発表」の2)。これらとともに、音楽構造の記述・分析手法の研究・開発を進めている(未発表)。さらに学部レベルの学生研究ではあるが、色情報を用いた楽曲の感性情報検索の研究、楽曲演奏データからの楽譜レベルの楽曲構造データ抽出などの研究も行った。これらの研究は、音楽情報を多様な側面からとらえ、人間の認知的・感性的な音楽理解とどう関係づけられるか、それを多様で柔軟性の高い音楽情報検索にどう応用できるかの検討を目指す本研究課題の一環として位置づけられる。そのような研究のための環境整備として、現在、汎用性の高い音楽データベース構築のための基礎的作業を進めている。
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情報処理学会 音楽情報科学研究会 研究報告 Vol.2006,no.19
ページ: 65-72
Proceedings of the 18th Annual ACM Symposium on User Interface Software and Technology (UIST2005)
ページ: 49-50