研究課題
基盤研究(C)
本研究では音楽構造の様々な側面について、コンピュータで解析し、表現するための理論的基礎についての検討、心理実験による人間の音楽認知過程の解明、それらの結果に基づく応用システム、とりわけ音楽情報検索への応用を志向したシステムの作成・検証を行った。音楽情報検索は近年非常に活発な研究分野であり、通常のメロディ検索での成果に留まらず、より高次の解析や特化した機能を有する処理についての研究が志向される。本研究はその一端を担うものと位置づけられる。本研究で扱った個別の課題及び成果の概要は以下のようにまとめられる。1.研究に必要となる楽曲データについて、ピアノ曲(約300曲)、歌唱データなどを、導入したサーバ上のデータベースとして整備するとともに、歌唱データなどの独自収集を行った。2.楽曲構造を利用した情報検索の実現の一環として、複数声部を持っ楽曲の構造音を検索対象とする音楽情報検索システムのプロドタイプを作成・検証した。3.打楽器音を音声(擬音語)で模倣した検索キーに対し、パーカッションパターンを検索し、また楽曲の作成・編曲支援を行うシステムVoice Drummerを作成し、高い認識率を達成した。4.検索キーとしての歌唱の可能性・妥当性を評価・検討する基礎として、歌唱力の評価に関わる音楽音響的特性の分析を行い、楽譜情報によらずに自動評価するプロトタイプシステムを作成した。5.人間による音楽構造認識の性質と、音楽情報検索への適用可能性を検討するため、未知曲の復唱の実験的分析、特に歌唱エラーの構造的特徴の分析を行った。上記項目にはまだ論文投稿中・準備中で未発表のものもあるため、順次公表を行っていく。本研究は当初の計画を拡張した内容でいくつもの有意義な成果が得られた一方、音楽構造解析やその音楽情報検索への応用にはまだ未達成の部分も多く、今後も多様で柔軟性の高い音楽情報検索を目指した研究の進展を図りたい
すべて 2007 2006 2005
すべて 雑誌論文 (14件)
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