研究概要 |
特許マップ自動作成技術の確立を目指し,本年度は,高速かつ十分な精度の特許分類技術の考案と実データを用いた評価,特許マップ提示プログラムの設計と実装を行った. まず,国立情報学研究所が主催するNTCIRプロジェクトのワークショップ(NTCIRワークショップ)に参加者として登録することによって入手した,データ,分類のための課題,および従来の分類手法の報告について分析した.その結果従来の手法には精度が良い手法は存在するが,いずれの手法も今後の分類課題数の増加に対応できるだけの処理速度を有していないことがわかった. そこで,より少ない計算量で特許文書を分類できる「単語重み付けに基づく分類手法」を考案した.NTCIRワークショップのデータおよび分類課題を用いて評価したところ,分類精度は従来の高精度な手法と互角(若干劣る)で,処理速度が数倍〜数十倍高速であることを確認した.本手法およびその評価結果については,平成19年5月開催の"NTCIR6 meeting"国際会議において発表の予定である. また,分類した特許文書をマップとして表示する特許マップ提示プログラムをWebアプリケーションとして設計し,実装した.これにより,考案した分類手法によって分類した特許を,さまざまな観点から2次元のマップとしてコンピュータディスプレィ上に表示することが可能となった. 以上によって,特許文書を蓄積・前処理し,与えられた分類基準に基づいて自動的に分類し,それをマップとして提示する,という特許マップ自動作成に関するひととおりの技術を確立した.
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