研究概要 |
図書館は,高価本や貴重本を含む図書を一定冊数購入しその範囲内でユーザに貸し出すことによって人類の知識の共有や文化の発展に役立っている.本研究では,このような図書館的な共同利用サービスにおいて,デジタルコンテンツをネットワーク経由で貸し出すことが可能となるシステムの開発を目的とする.このサービス成立の鍵は,コンテンツの同時利用数が,購入した利用権数を超えないことを保証して著作権を保護することである.これを実現するデジタルコンテンツ共同利用システムを研究開発する. 本研究の要点は,貸出期限及び同時貸出数制限付きでデジタルコンテンツを貸出・閲覧できるようにするシステムを実現するため,次のような技術を確立・実用化することにある. (1)正式な許可を受けたユーザのみがデジタルコンテンツを閲覧できるようにする. (2)貸出期限を過ぎたらデジタルコンテンツの閲覧を不可能にする. (3)貸出期限前においてユーザが利用権を返却できるようにする. これらの技術確立のために,本年度はH17の成果に基づいてプロトタイプシステムを開発した.特に,本システムの中心となる時間管理機能付きICカードを中心に開発した.ただし,本年度は,ICカードはいわゆるICカード状態に実装することは費用の関係で先送りし,ICカード内に封入する予定のプロセッサやメモリおよび本研究の特徴である時計をボード上に個別部品として実装した状態で,プログラムの開発と動作確認を行った.
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