研究課題
基盤研究(C)
技能習得の過程では学習者が行った動作に対してフィードバックを与えることが重要であるが、その与え方について様々な工夫を試みた。ひとつの調査は評価尺度の粒度に関するものであり、荒過ぎることも細かすぎることもない適切な粒度が存在することを確認した。また学習者が行った動作の評価を提示する方法についても調査した。実験の結果、結果の善し悪しだけでなく、動作の特徴を視覚的に示すことで学習が効果的に行われることを見いだした。最終年度は産業への応用も意識し、スーパーマーケットの精肉部門にご協力いただいて包丁で肉を切る動作を調査した。小売業では、人材の高い流動性とコスト削減の圧力から人材育成(技能習得)の支援に対して期待が大きいからである。調査の結果、熟練者は動作が安定性し、無駄のない動きになっていることがわかった。高い作業効率と持久力(疲れにくさ)を両立させるために、自然に身についた動作と思われた。新たな題材としてクラシック音楽における歌唱の技能を調査した。実験ではプロとして活躍する歌手が自ら発声方法を制御し、歌い方の違いが聴き手にどのような影響を及ぼすかを調べた。歌い方の違いは聴き手にもはっきりと感じ取られたばかりでなく、特殊なセンサーを使って体表振動を測定した結果、通常の発声方法よりも明らかに強い共鳴現象が起きていることが確認できた。以上より、具体的なデータを参照しながら歌唱技能を指導できる可能性を示した。
すべて 2008 2007 2006 2005 その他
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (40件) 備考 (1件)
日本声楽発声学会誌 36
ページ: 3-16
Journal of the Japan Association for Research in Singing vol.36
電気学会論文誌C 126-1
ページ: 72-82
IEEJ Transactions on Electronics, Information and Systems Vol.126, No.1
電気学会論文誌C 125-6
ページ: 870-878
人工知能学会誌 20-5
ページ: 518-524
IEEJ Transactions on Electronics, Information and Systems Vol.125, No.6
Journal of Japanese Society of Artificial Intelligence Vol.20, No.5
http://www.jaist.ac.jp/%7Efuji/papers/fuji/kibanC.pdf