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2006 年度 実績報告書

知的エージェント社会における社交的行動の計算論理に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17500095
研究機関和歌山大学

研究代表者

坂間 千秋  和歌山大学, システム工学部, 教授 (20273873)

キーワードマルチエージェントシステム / 合意形成 / 解集合プログラミング / プログラム変換
研究概要

本研究では、マルチエージェントシステムにおけるエージェント間の合意形成の枠組を計算論理で形式化した。マルチエージェントシステムで、各エージェントが解集合プログラミングで記述された知識ベースを持ち、エージェントの信念が解集合によって表現されている状況を考える。そこでエージェント間の合意を、異なるプログラムが持つ解集合から共通の信念を取り出した結果として定義する。ここで、一つのプログラムは一般に複数の解集合を持つため、共通信念を取り出す方法として以下の2つを考えた。一つは単体のエージェントが持つ、各信念集合に含まれる共通信念を全てのエージェントから収集したものをエージェント間の合意とする方法(極小的合意)、もう一つは単体のエージェントが持つある信念集合に含まれる信念を全てのエージェントから収集したものをエージェント間の合意とする方法(極大的合意)である。極小的合意から懐疑的推論によって帰結される結果は、各プログラムから懐疑的推論によって帰結される結果の集合積と一致し、極大的合意から信用的推論によって帰結される結果は、各プログラムから信用的推論によって帰結される結果の集合積と一致する。このことは、マルチエージェント社会を構成するエージェントが懐疑的である場合は極小的合意を用い、信用的である場合は極大的合意を用いることが適当であることを示している。次に、こうした合意を表す解集合を宣言的意味として持つようなプログラムを元のプログラムから自動合成する方法を導入した。具体的には、合意を表す解集合に含まれる信念を帰結するルールを各エージェントのプログラムから抽出し、それらを統合するためのプログラム変換を導入した。こうして生成されたプログラムは、マルチエージェント社会において個々のエージェントの信念を反映する共有知識と考えられ、社会全体の意思決定ベースとして使うことが出来る。また、上述したプログラム合成は、既存の解集合プログラミングの計算手続きの上で実現可能である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Coordination in Answer Set Programming2007

    • 著者名/発表者名
      Chiaki Sakama, Katsumi Inoue
    • 雑誌名

      ACM Transactions of Computational Logic (印刷中)

  • [雑誌論文] Constructing Consensus Logic Programs2007

    • 著者名/発表者名
      Chiaki Sakama, Katsumi Inoue
    • 雑誌名

      Lecture Notes in Computer Science 4407

      ページ: 26-42

  • [雑誌論文] Generality Relations in Answer Set Programming2006

    • 著者名/発表者名
      Chiaki Sakama, Katsumi Inoue
    • 雑誌名

      Lecture Notes in Computer Science 4079

      ページ: 211-225

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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