研究概要 |
制約データベースに対する制約問合せ処理では,制約問題の解消法の研究が中心的な課題となる.2年目である平成18年度は,さまざまな制約問題に着目し,以下の項目について調査・検討などを行った. 1.文字列制約の解消:分子配列データマイニングにも見られる文字列制約の範囲を可変長ワイルドカード領域や曖昧文字の抽出問題まで広げ,極小かつ非冗長なパターンの高速抽出法について,具体化を行った.また,ギブスサンプリングによる解の絞り込み方法についての検討を行った. 2.幾何学構造に関する制約の解消:空間データベースに見られるグラフ構造をヒントに,ブログ世界を空間的にとらえ,高密度かつ頻出な部分グラフ抽出問題を解決する方法について検討を行った. 3.数式制約の解消:整数計画法で表現される数式制約に対し,グリッドコンピューティング環境上での最適化方法について調査・検討した.耐故障性の確保,スライド転送方式などによる通信遅延を低減するための対策,計算機資源の動的変化への対策などの検討が重要であることがわかった. 4.グラフィカルな対話処理による制約解消:人間の空間的把握能力などを考慮し,ブログ空間をさまざまな視点から閲覧するためのユーザーインターフェイス方法について検討を行った. 5.グリッドコンピューティング環境における制約処理:通信遅延が発生するグリッド環境を想定し,頻出配列パターン抽出問題を,分散ワーカーモデルを用いて解く方法について検討を行った. 6.制約間合せ言語の枠組み:本研究の制約間合せ言語の枠組みを検討する中で,整数制約,可変長パターン抽出制約,曖昧パターン抽出制約,高密度な部分グラフ抽出制約等を洗い出した.
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