研究概要 |
本年度は以下のサブテーマでフレキシブルシステム設計支援のための並列多目的遺伝的アルゴリズムの開発を行った.すなわち, フレキシブルシステムの概念の検討 フレキシブルシステム設計のための強力な探索性能を有する多目的遺伝的アルゴリズム およびシステムを稼動させるクラスタ・グリッドの構築 である. フレキシブルシステムはシステムが環境の変化をセンスし,内部パラメータを変化させることにより実行結果を変化させる知的な人工物の一つである.環境の変化に対して内部パラメータもしくは構造を変更することで,ロバスト性を向上し,システムの性能の向上もしくは適用範囲を広げることが可能なシステムを本研究ではフレキシブルシステムと呼ぶ.今年度はフレキシブルシステムの概念の明確化を行い,どのような分野での設計に適用可能かを議論した. 次に,フレキシブルシステムの設計のために必要な強力な探索性能を有する多目的遺伝的アルゴリズムの開発のために,制約条件の取り扱いの検討,応答局面法を利用して対象関数の評価が大きな計算コストを必要な場合の処理の短縮の検討,ニューラルネットワークの利用により計算コストを下げながら多様性を有する解の探索方法の検討を行った.これらの検討は,数学的なテスト関数を利用するだけでなく,実問題としてディーゼルエンジンの設計を取り扱った. これらのシミュレーションは,繰り返し計算が膨大に必要となるため計算コストが非常に高い.このために,進化的計算を行うための大規模PCクラスタの構築を行った.これまで,PCクラスタのOSとしてはLinuxを中心に利用してきたが,WindowsのOS利用の検討も開始した.
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