研究概要 |
従来、移動ロボット技術の中では殆どが静的環境物体のみを地図の対象としており、準動的物体・動的物体が混在する環境で地図を生成し、その地図をロボットのタスクに利用する技術については、重要であるにも係わらず未発達の状況にある。本研究の目的は、準動的物体のモデル化を含む環境地図生成と移動ロボットタスクへの利用の課題に取り組むことである. 平成19年度は、準動的物体に貼付された無線ICタグを利用して、移動ロボットの自己位置決め,地図の推定,ならびに,無線ICタグの位置決めに基づく準動的物体の位置決め,を同時に実施するプロトタイプシステムを構成した.具体的には,ICタグの検出情報とレーザ距離スキャンデータに基づき,RBPF(Rao-Blackwellized Particle Filter)を用いて,移動ロボットの自己位置決め,地図推定,そして,準動的物体の位置決めを同時に行うシステムを改良した.準動的物体が移動された後に地図を更新することも可能になっている.評価実験では,準動的物体として可動型のキャビネットのポーズ(位置・姿勢),および,廊下環境においてドアの開閉,また,ドア周辺に置かれたゴミ箱のポーズ推定を行い,本システムの有効性を確認した.
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