研究課題
基盤研究(C)
実空間中の非剛体の挙動の仮想的3次元空間における再現法の研究における非剛体物体として、(1)人物像、(2)弾性物体、について、以下のような検討を行った。(1)人物像人物の顔をテレビカメラで撮像し、表情の変化や顔の動きを仮想空間中の3次元顔モデルで再現する方式における再現品質向上のため、前述のカメラにより獲得される顔の実写動画像の各フレームからテクスチャを切り取り、顔の位置・姿勢の追跡結果に基づき適宜アフィン変換を施して顔モデルにマッピングする方法を提案し、検討を行った。その結果、皺や目・口など顔モデルの変形だけではリアルな表現が困難な要素も高品質に再現可能なことがわかった。一方、顔のリアルな表現方法に似顔絵がある。従来、似顔絵は似顔絵作家により描かれていたが、もし計算機が自動的に似顔絵画像を生成できれば、リアルな顔再現が期待される。実写顔画像における顔の輪郭、目、口などの形状計測結果と、これらの最適なデフォルメとの対応関係の基礎的検討を行った。人物の全身像については、実空間中の人物の動きを画像から認識する方法の検討を行い、認識用データベースに含まれない未知人物の動き認識法、および周囲の環境との相互作用がある場合の動き認識法の基礎的検討を行った。(2)弾性物体大規模な3次元仮想弾性物体モデルの大きな変形を安定に実時間で表現するため、複数の弾性物体要素が関節として機能する接合面により接続された多関節弾性物体モデルを新たに提案した。境界要素法に基づく手法により、複雑な形状をした弾性物体モデルの大きな変形が安定に実時間で表現できることを確認した。
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