研究概要 |
ヒューマンプロセッサ型イメージセンサーのためのインテリジェント信号・画像処理手法の開発 現在,画素面積が5μm^2よりも更に小さなCMOSイメ-ジセンサーが実現されつつあるが,このように画素面積の小さな撮像素子から得られる画像信号中にはショットノイズが相当量含まれている.画像では輝度や色度などの特異な微分幾何学的構造が視覚的に重要な意義を有している.従って,ノイズを含む映像信号の中から画像の特異な微分幾何学的構造を抽出・保存し,あるいは適切に変換可能な処理方式が必要である.しかしながら,このような処理は従来の線形システム,あるいはこれまで経験的に発見されてきた非線形システムで達成することは不可能である。 本研究課題では,非線形時間発展方程式に基づく新たな非線形信号・画像処理理論を構築しつつ,以下に示すような具体的な処理方式を提案し,昨年度開発したヒューマンプロセッサ型イメージセンサ-シミュレ-タを用い,それによって実現されるインテリジェント画像入力機能の性能評価を行なった。 1.時空間分解能の自在変換法 画像品質を劣化させることなく,シームレスかつ連続的に時空間分解能を変換する画像処理手法を開発した. 2.各種要因によって劣化したセンサー出力からの超高品質画像の修復・復元法 光量不足,焦点ぼけ,動きぼけ,ハイライト,ハレーション,カメラブレなどの様々な要因によって劣化した入力映像から,超高品質な映像を再構成するための画像処理手法を開発した. 3.色順応・明度順応を実現する入力画像変換法 入力画像から,照明光の照度,反射率,鏡面反射成分などを分離推定する手法を開発し,これらに基づいてヒトの視覚系以上の色調整機能,明度調整機能を実現した.
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