研究課題
基盤研究(C)
昆虫の視覚情報処理モデルであるEMDに基づいた画像処理アルゴリズムにおいて、アルゴリズムを規定するパラメータの最適化を試みる研究を行った。低解像度の動画像からリアルタイムで動き方向を推定することができることがアルゴリズムの特徴であるが、パラメータの設定により推定精度が影響されることが分かっている。研究では、推定精度に支配的なパラメータを特定するために、リセプタ間隔と遅延フレーム数の2つのパラメータに着目し、これらパラメータを最適化する手法を検討した。検討より得られた最適化アルゴリズムをソフトウェアおよびハードウェアに実装して検証実験を行った。得られた実験結果より、リセプタ間隔と遅延フレーム数が推定精度に支配的影響力を有しており、これらパラメータの最適化により動き方向推定精度を向上させることが可能であることを確認することができた。パラメータ最適化において、リセプタ間隔と遅延フレーム数を変数とし、EMD出力を目的関数とする3次元パラメータ探索空間を形成した。動き方向検出精度向上のためには目的関数が最大となるようパラメータ探索空間において順次探索を行う。リアルタイムでパラメータの最適化を実現するために、目的関数が最小値となるパラメータペアを順次新しいパラメータペアと置き換え、最終的に目的関数が最大となるパラメータペアに収束する順次探索手法を考案した。これにより、通常のPCや安価なハードウェアデバイスにアルゴリズムを実装した場合においても、リアルタイムでパラメータを最適化しながら動き検出が可能であるアルゴリズムを実現することができた。上記研究とあわせ、64ピクセルという超低解像度の動画像を生成するイメージングセンサの検討を行った。センサ出力に基づいてEMDを使ったアルゴリズムにより動き方向検出が可能であるとこを実験により確認した。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (3件)
電子情報通信学会技術報告 105・674
ページ: 43-48
ページ: 115-120
Proc.5th IASTED Int'l Conf.Visualization, Imaging, and Image processing
ページ: 650-654