研究課題
本研究は、ビデオカメラが撮影した手の3次元の自由な動きをトラッキングし、その動きを3次元的にキャプチャする新しい手法を提案し、その有効性を示した。人間の手は、多くの関節を持ち、その多次元性により動きを簡潔にモデル化することが難しい。一方、計算量を減らすため、手の形状をより小さな次元空間内で表現できるようにすることが必要となる。従来主成分分析(PCA)を用いた手法が提案されたが、本論文では、ICAを用いてローカルな特徴を抽出し手の形状を表現する手法を提案する。まず31動作の各関節角度をデータグローブによって取得した。ICAを適用した結果として得られた5個の独立な基底動作ベクトルが手の指1本1本の動きにそれぞれ対応しており、指の形状はそれらの基底動作に含まれる形状を用いてモデル化することにより、手の効率的な形状表現ができることを示した。手が自由に動くので、指と指が重なったり、また、見えなくなった指が再び見えるようになったりする。そのため、キャリブレーション済みの複数台のカメラを使用する。あるカメラに見えていない指があっても、別のカメラに見えるので、オクルージョンの問題を解決できる。モーションキャプチャは、各瞬間の手の位置姿勢形状パラメータ(5本の指に対応する5つのパラメータと手全体の回転および並進の6つ)を求めることで行われる。最適なパラメータは、手の3次元モデルを複数角度から撮影された画像に射影したときに、最も入力画像と合うものとして、パーティクルフィルタリングというアルゴリズムを用いて探索される。画像との一致度はエッジ画像およびシルエット画像と、画像に射影された手の3次元モデルとの差で評価されている。パーティクルフィルタリングは、ローカルミニマムに陥って出られない可能性が低い性質を持っており、オクルージョンが多発する手の3次元運動追跡には適している。
すべて 2006
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Journal of Multimedia Vol.1, No.3
ページ: 52-60
International Journal of Computer Science and Network Security Vol.6,No.10
ページ: 58-65
International Journal of Computer Science and Network Security Vol.6, No.6
ページ: 7-12