研究概要 |
本研究の最終目的は,各種センサから得られる人間の動作データと自然言語文章を相互に変換する能力を持つ知的システムを構築し,文字や音声で高齢者や障害者の動作異常を,例えば,"Aさんの体が折れ曲がったままです"などと報知,あるいは,"Bさんの歩行の様子はどうか?"などの問い合わせに言葉や映像で返答させることにより介護補助に役立てることにある. 科学研究費の交付希望期間内に行う事柄は,以下の3点である: (a)モーションキャプチャを介してえられる人間の動作データ(人体部位座標の時系列パターン)と日本語動作概念("反らす"や"屈む"など)およびそれらに関連する補助概念("ゆっくり"や"激しく"など)との対応づけ(いわゆる,記号接地-Symbol Grounding-)を行う。 (b)モーションキャプチャの動作データを自動的に自然言語表現に変換するシステムを構築する. (c)自然言語による動作に関する問い合わせに言葉および映像で応じるシステムを構築する. 平成17年度としては以下の事柄を達成することができた。 (1)単語の収集: 日本語シソーラスより人間の動作に関する単語("屈む"や"倒れる"など)を約30種類抽出し収集した.(小田担当) (2)文章の収集: 日本語文章コーパスから収集した動作単語が関連する表現約300を収集しデータベースとして蓄積した.このデータ収集蓄積は主にインターネットを利用して行った。(小田 担当) (3)言語データの構造分析: 既存の自然言語解析ソフトを利用し,コーパスから収集した表現の形態素および構文解析を行い,動作データ文章化のための小規模文法(sub-grammar)を設定した.(小田 担当)
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