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2007 年度 実績報告書

メディア画質の感性効果とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 17500137
研究機関千葉大学

研究代表者

小林 裕幸  千葉大学, 大学院・融合科学研究科, 教授 (60134350)

キーワード感性情報学 / モノクロ写真 / セピア / 印象効果 / 時間印象
研究概要

写真の過去的な印象に対して,どの画質要因が優位性をもっているのかを調べ,セピアや白黒のような単色の画像を見たときに,過去的な印象を強く喚起する効果が見られた.また,低色温度と高色温度の写真の時間印象に有意な差が見られたことから,色温度が時間印象に影響を及ぼす因子であることが示唆された.もっとも強く過去的な印象を喚起させたセピア写真について次のことが明らかになった。
1)セピア写真の時間印象に彩度が大きく関わっている。
2)彩度が高い場合には,黄セピア、茶セピアが赤セピアよりも過去的な印象が強い。
3)彩度が低い場合には,色相は時間的印象に寄与しない。
4)被写体よりも色相の方が優位性をもっており,人物が風景、花よりも強い過去的印象を喚起する。以上のことから,画像の時間印象が銀塩写真の画質特性(メディア画質)に対する人々の記憶と大きく関係していることがわかった。すなわち,ある画像を見て記憶する際に,そこに映されていた場面や対象のみを記憶するのではなく,画像の物質的な質感も同時に記憶されていると考えられる.この画像的記憶(pictorial memory)がスキーマとして機能することで,画質により時間印象が喚起されていると推測される.こうしたことから,今後,銀塩写真をまったく知らない世代が大部分を占めるような時代になれば,今回の結果とは大きく変わってくることも予測される.また,時間的な印象にかぎらず,画質によって喚起されるさまざまな印象が,人々の画像的記憶と関係していることが推測される.今後,高度な感性情報を考慮した画質設計を考えるうえで,心理学や認知科学における記憶研究の知見から受ける示唆は少なくないものと考える

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 画質が写真の時間印象に与える効果2008

    • 著者名/発表者名
      佐藤 慈
    • 雑誌名

      映像清報メディア学会誌 62

      ページ: 398-407

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本人の、黄色人、白人、黒人の肌色に対する記憶色2007

    • 著者名/発表者名
      青木 直和
    • 雑誌名

      日本写真学会誌 70

      ページ: 102-105

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 好ましい色の主観評価のための新しいサンプル提示法2007

    • 著者名/発表者名
      青木 直和
    • 雑誌名

      日本写真学会誌 70

      ページ: 354-357

    • 査読あり
  • [学会発表] The Effect of Image Quality on Impression Fomation by Facial PhotograPhs2008

    • 著者名/発表者名
      Shigeru Sato
    • 学会等名
      International Workshop on 'Kansei'
    • 発表場所
      Fukuoka
    • 年月日
      2008-03-07
  • [学会発表] 写真の色調の印象効果2007

    • 著者名/発表者名
      清水穂高
    • 学会等名
      カラーフォーラムJAPAN
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-11-28
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] デジタル画像における色再現・質感表現技術2007

    • 著者名/発表者名
      小林 裕幸(分担)
    • 総ページ数
      15(担当分)
    • 出版者
      技術情報協会

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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