研究課題
当該研究は、以下の三点を中心に進められた。1 心理状態が表れる動作(body expression)についてのデータ収集:指導教員と共にオンラインで学習、あるいは会議に参加する学生の様子と、ゲームをしている時の様子を数時間撮影した。これらの映像の中から、学生の心理状態を推測するために利用できる動作を抽出し、分析をおこなった。この準備段階での分析において、表情の変化と動作の変化を比べた場合、動作の変化の方が大きいことが明らかになった。これは、身体動作は効果的な意思疎通経路であるという、我々の仮定を裏付けるものである。現在は、更に具体的かつ量的な分析を行っている。2 コンピュータビジョンを用いた、心理状態が表れている動作を認知するシステム:このシステムを用いて、"集中"と"退屈"という二つの心理状態の認識に関するテストを行った。"集中"の度合いは2段階とし、それぞれにモデルとなるしぐさを作成した。その評価として、上述二段階の心理状態の区別においては、良好な結果が得られたが、心理状態の度合いを更に細分化すると、その認識は更に難しくなった。しかしながら、人間の目による観察でも同様の結果であった。3 心理状態認知実験のためのジェスチャー(動的)刺激の作成:運動解析システムとモデリングのソフトウェアを用いて、様々な心理状態を表す動作をしているアバター(人形)を作成した。このようなジェスチャーによる刺激は、ある種の心理状態を認識する際の、動作の特徴(ジェスチャー)の役割を調査するために用いる計画である。事前実験結果により、例えば"恐れ"のような、ある種の心理状態を正確に認識するためには、動作の傾向をつかむことが必要であることが分かった。このようなジェスチャーによる刺激は、心理状態を表す動作を認識する際の脳の活動を理解するためのFMRI(脳内代謝測定)の研究にも利用できる。
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Submitted to Interacting with Computers, Elsevier (submitted)
Proceedings of First International Conference on Affective Computing and Intelligent Interaction, LNCS, Springer-Verlag
ページ: 263-270
Proceedings of UM 2005 Workshop on Adapting the Interaction Style to Affective Factors, Edinburgh, Scotland
ページ: 32-39
Proceedings of User Modeling 2005, LNAI, Springer-Verlag, Edinburgh, Scotland
ページ: 50-59