昨年度までに開発・拡張を行なったインタラクティブアート作品「群れオーケストラ」について、国際会議での展示を行なうとともに、新たに各エージェントが映像および音声データを表現する作品「MediaFlies」を構築し、国際会議で発表した。また、「群れオーケストラ」を元にIPネットワークで接続された複数のパーソナルコンピュータを利用した分散システムへの拡張を試みた。ビデオチャットの音声部分をエージェントによる伝言に置き換えたシステム「群れメッセンジャー」を作成し、オープンキャンパスおよび大学祭にて公開実験を行なった。訪問者の発話を促すようエージェント自身にも言葉を割り当て、会話を楽しめるよう拡張を行なった。訪問者の反応は好評で、新たなコミュニケーションツールとしても意味のある開発ができた。エージェントの言葉について、研究協力者Daniel Bisigの協力により、日本語以外に英語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ヘブライ語も揃え、パーソナルコンピュータの言語環境設定によって使い分けられるように拡張を行なった。 「MediaFlies」および「群れメッセンジャー」について、複数のメディアアート関連のコンクールに応募した結果、「群れメッセンジャー」はスペインのVida 9.0においてHonorary Mention、「MediaFlies」は文化庁メディア芸術祭アート部門にて優秀賞を獲得した。またそれらを記念する展示会にて実機による展示を行った。
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