研究概要 |
昨年度までに開発・拡張を行なったインタラクティブアートの3作品「群れオーケストラ」「群れメッセンジャー」「Media Flies」についてスペイン・バレンシアおよび英国・ウルバーストンでの展示を行うとともに、画面に表示される2次元空間を多数の群れエージェントで埋め尽くし、様々な描画方法によって相互作用的かつ生成的な動的パターンを生成する「アイデンティティ-老いと病い(Identity SA)」を構築し、国際会議で発表・展示した。前作品と同じく群れ行動シミュレーションとカメラ画像に基づく視覚的な相互作用、および、それらの情報を元に合成される効果音を組み合わせたものである。今回は空間を2次元とし2,000程のエージェントで空間を埋めることにより、新たな審美的パターンの生成を試みた。カメラで捉えられた画像から得られる色をエージェントの表示に加味することで、デフォルメされたダイナミックな鏡のような効果を得ることに成功した。 「アイデンティティ-老いと病い」は、世界をリードする現代バレエカンパニーの1つであるネザーランドダンスシアターの振付家イリ・キリアンの新作「バニシング・ツイン-未完成な作品(Vanishing Twin-unfinished works)」の舞台効果として応用され、2月7日のオランダ・ハーグでの初演の後、オランダ各地で公演された。
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