昨年度までに開発・拡張を行なったインタラクティブアートの4作品のうち「群れオーケストラ」についてオランダ・ライデンの子供向け学習支援施設Sportkinderenへの設置について検討を行うとともに、「アイデンティティ-老いと病い(ldentity SA)」について、生成する画像パターンと効果音の双方について改良を加えた。また、これらの実行を高速化し反応を滑らかにする方法として、新たにマルチコアCPUによるスレッド並列の効果を最大限に引き出す分散化スケジューリングのアルゴリズムを実装し、4コアのマシンで、以前の約1.7倍の性能を得ことに成功した。効果音の拡張を中心に、国際会議で発表・展示した。 新たに赤外線カメラを応用し、対象物に群れエージェントを投影するシステムを試作した。これを応用して舞台上のダンサーの体の上をワームの群れが這い回るという効果を、世界をリードする現代バレエカンパニーの1つであるネザーランドダンスシアターの振付家イリ・キリァンの新作「Gods and Dogs」に応用し、11月13日のオランダ・ハーグでの初演の後、オランダ各地で公演された。当該公演の後、研究協力者であるチューリヒ大学のDaniel Bisig博士を招聘し、協同で当該システムの実装方法に関する研究を実施した。
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