研究課題
本研究では、ニューラルネットの非対称構造および対称構造の機能を、今まで、われわれが進めてきた、catfishなどの網膜神経回路に見られる非対称構造の機能解析の結果を、大脳皮質の視覚領の部位のV1野及びMT野に適用して、これらの大脳皮質の回路構造の特徴を計算論的に明らかにすることである。この網膜部位の非対称構造とは、Bipolar cell-Amacrine N-type cellの線形系経路及びBipolar cell-Amacrine C-type cell-Amacrine N-type cellの非線形系経路がAmacrine cellで、一緒になり、非対称構造を形成する。Catの網膜の非線形特性として、米国のCornell大学りJ.Victor教授らは3次の非線形性は少なく、4次の非線形性もいくらか、みられることを実験的に示している。われわれは、これらの知見を基に、線形性経路、非線形性経路からなる非対称構造のネットワークについて、刺激の左右の動きに対して、どのような回路としての反応性を示すかについて、計算論的に明らかにしてきた。この結果、非線形回路構造でも、奇数次の非線形性と偶数次の非線形性を持つ非対称構造が、左右の刺激の動きに対して、きわめて、敏感であることを計算論的に明らかにしてきた。視覚機能を司るV1野及びMT野の研究は米国のNew York大学のSimoncelliとHeegerにより、その構造が明らかにされ、並列、対称構造であるが非線形性としてHalf-wave Rectificationを有することを示している。本研究では、この非対称、並列構造のネットワークは刺激の変化に対して、きわめて、敏感であることを計算論的に明らかにした。ここでは、非線形性と並列性が重畳作用となり、適確に情報を捉える大きな冗長性となることを明らかにした。以上の知見をまとめ、V1とMTの2層構造のネットワークとなることが情報機能として、十分となることを計算論的に示した
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