研究課題
基盤研究(C)
本研究は、「情報学」研究のテーマの一つである電子自治体を対象として、その投資が地域経済に及ぼす影響について、技術的特性を踏まえつつ経済学の枠組みを中心に理論的・実証的に研究することを目的とした。この研究に着手した当初の電子自治体構築の目的には、(1)住民の満足度向上、(2)簡素で効率的な行政運営の実現のほか、(3)地域活性化及び地域IT産業振興が示されていた。本研究は、(3)の目的に着目して進めた。研究の理論的基礎としては、情報通信技術(ICT)が経済活動に影響を及ぼすのかに関する地理的側面からの先行研究に依拠した。果たして、ICTは経済活動に関する地理的な制約を外し方向に寄与するのか、又は、ICTはface-to-faceのやりとりと相互補完的であり、したがって、都市の優位性が高まるかどうかなのである。こうした先行研究のうち、ICTの有効な活用には情報サービス業等の第三者の専門的なサポートが重要である点に着目をして研究を進めた。研究は、計量的なデータとケーススタディによる実証分析のスタイルで進めた。計量的なデータに関しては、日本における情報サービス業の大都市集中の実態とそれが国内の地域産業に及ぼす産業連関的な波及効果を検証した。その上で、地域における情報サービス業の集積の度合いが各地の事業主体によるICT利用にどのように影響しているのかを計量的な実証分析によって検証した。また、ケーススタディとしては、発注者としての地方自治体に着目して、電子自治体投資が地域経済、特に、地域の情報サービス業の活性化に結びつく事例について調査した。
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第14回社会情報システム学シンポジウム学術講演論文集
ページ: 1-10
東京大学大学院情報学環紀要 情報学研究 74
ページ: 1-20
Proceedings of annual symposium of socio informatics
日本社会情報学会(JASI)第21回大会:研究発表論文集
ページ: 133-136
Proceedings of annual conference of Japan association for socio informatics
(発表予定)
Journal of Information Studies, Interfaculty Initiative in Information Studies, The University of Tokyo
forthcoming