研究概要 |
インターネット上のネット・コミュニティを対象にした情報化社会において、人々がネットワークから得られる実際の価値の定量評価のためには、社会的ネットワークと情報ネットワークを連携させた統合ネットワークモデルを明らかにすることが不可欠となる。そのシステム化のために、「信頼」の基礎となる「互酬性」と「利他行動」の相互関係、及びネット・コミュニティのシステム構築への反映について考察した。まづ統合ネットワーク設計のためのアルゴリズムについて国内特許1件、国際特許1件を出願した。さらに、オンラインコミュニティの効果的な運用をシステム的に実施する検討を、主にシミュレーションを元に実施し、ケーススタディとして大学内の電子メールヘッダ情報を対象にした社会的ネットワーク分析と、それに基づくオンラインコミュニティ設計への適用例を検討した。それらの結果に関しては、国際会議2件、国内学会9件で発表し書籍1冊にまとめた。さらに、オンラインコミュニティの実例として、病院における医療チームに用いる電子カルテシステムを検討し、プログラム登録1件の作成、さらにシステム試作及び医療現場における評価検証を実施し、研究会1件発表、国際会議1件の発表した。また、日本と外国(オーストラリアと中国)において、グループ活動における信頼関係を,囚人のジレンマゲームによる実験データを基に比較検討し、発表した。今回の結果では、国による大きな違いは、見当たらなかった。 信頼性評価実験については、実験プラットフォームを、ほぼ完成させ、被験者の表情をチェックするモニター機能を設置することまで、実施した。
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