研究課題
3年間の助成研究の最終年度に対応する。1年目では、すべてのデータを局所モーメント情報として保存し、最尤法を適用する方法を提案した。通常の最尤法では、すべてのデータを用いて推定量を求めている。昨年度の研究では両推定量の精度の違いを理論的に導き、先行研究(LindleyやTalis)の結果を改良していることを示した。この結果はグループ化したサンプルに基づく最尤法の理論的な枠組みを提供している。2年目は大規模データの統計解析でしばしば見られる処理能力を超える計算量の増加によって生ずる統計解析の問題を解決するための統計的データ縮約化法の研究を行った。今年度は推定精度を落とさずに大規模データのボリュームを小さくする研究を続けた。この概念はDumonchelらによって提案されが、理論的な性質は未解明であった。我々は計算量を大幅に軽減する可能性として、データをグループ化し、そのグループ内の局所モーメント情報を保持することを考えた。本年度の研究成果として、データの統計的圧縮に着目し、カーネルデータスクワッシング法を提案し、その理論的な性質を導き、シュミレーション実験によってその有効性を確認した。この研究成果は研究発表(平成19年度の研究成果)で記載のとおり、5編の研究論文と1編の本への所収、学会発表1件の形にまとめた。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)
10th Proceedings on Nonparapetric Statistics and its related topics
ページ: 1-12
「21世紀の統計科学Vol.1社会・経済と統計科学」東京大学出版会刊 予定 (印刷中)(所収)
日本保険・年金リスク学会誌 第3巻(掲載予定,採択済み)(印刷中)
金融研究 第26巻別冊第2号
ページ: 1-21