研究概要 |
平成17年度の研究実施計画に添って研究実績の概要を述べる: 本年度は主に、3水準の単純配列から得られる釣合い型2次計画(3^m-BSOD)の構築についての考察を行った。実験回数(=N)が未知の要因効果の数(=v(m))以上の場合は既に求まっているので、N<v(m)の場合について行った。具体的には以下の通りである: ●計画の構築:(i)情報行列は、要因効果間に定義される関係代数のイデアルに関する表現行列と同形となることは解っている。このことを用いて、1次の主効果が少なくとも推定可能な単純配列から得られる3^m-BSODは、m=4の場合の1つの例外を除いて、総べて3水準の中の2個以下の水準のみの指標によって構成される"制約された単純配列"になることが判った。このことは、実際に3^m-BSODを構築する上で、指標の数がぐっと少なくなるので取扱いが楽になった。この制約された単純配列を用いて、グラム行列が求まった。 (ii)(i)の結果を用いて、N<v(m)の場合、分解能R({10}∪Ω^*|Ω)の釣合い型2次計画が構成できた。その成果は下記の通りであり、現在論文を執筆中である。 Some balanced second-order designs of resolution R({00,10,01}|Ω) for 3^m factorials(2006年度日本数学会年会(3月26〜29日:於中央大学)で口頭発表) Balanced second-order designs of resolutions R({10}∪Ω^*|Ω) for 3^m factorial(2006年度日本数学会(9月19〜22日:於大阪市立大学)で口頭発表予定) ●最適基準作り:2水準の場合に提案した3種類の基準の中、2番目の基準は改良の余地があるようなので、研究分担者とその詰めを行っている。しかし、新規の基準は未だ見つかっていない。 ●最適計画:上記の計画の構築の項で述べた計画について、今までに提案した最適基準と改良されるであろう基準に関する最適計画を求める準備を始めている。
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