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2006 年度 実績報告書

DNA分子複合体を形成するためのハイブリッド型高速配列設計システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17500192
研究機関電気通信大学

研究代表者

小林 聡  電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (50251707)

キーワードDNA計算 / 配列設計 / 二次構造予測
研究概要

DNA配列がワトソン・クリックの相補性に基づいて特異的に会合する性質を利用して、DNA分子の複合体を意図的に形成する試みにおいて,その反応が本質的にエラーを含む反応であるため,できるだけエラーの起きにくい配列を設計する問題は非常に重要な研究課題である。目的のDNA配列複合体を生成するためのDNA配列を設計する方法には、主に符号理論的なアプローチとMFE(Minimum Free Energy)に基づくアプローチがある。符号理論的なアブローチは、ハミング距離や編集距離をべ一スにして配列評価を行う、高速だが精度の粗い評価手法である。これに対し、MFEに基づくアプローチは、最小自由エネルギー(MFE)をとる二次構造を求めて配列の会合する可能性を評価するため、構造の形成の可能性を精密に評価することができるが,多くの時問を要する評価手法である。本研究では、前年度までに,前者の手法に関連して、「テンプレート法」という配列設計手法をシステムとして実装し、また、後者のアルゴリズムの改良により配列の二次構造評価の高速化を達成した。本年度は、符号理論的アプローチとMFEに基づくアプローチを組み合わせたハイブリッド型の設計システムの試作を試み、その問題点を考察した。その結果,従来手法からの高速化は見られるが、それは、後者のアルゴリズムの改良による効果のみによるところが大きく、両者の統合により良い配列がうまく探索できる効果はあまり顕著に観測できなかった。今後は、両者の中間的な設計手法をもう一段設け、多段の配列設計を行うことにより、この問題を解決していくことが必要であろう。また、研究目的からすると付属的ではあるが、顕著な成果として、MFEに基づく配列評価手法として、新しい評価手法を考案した。これは、目的構造物の平衡状態における最終濃度を凸計画法を用いて多項式時間で予測する方法である。多項式の次数が高いので、実用化への道のりはまだあるが、将来性のある新しい手法が得られたと考えられる。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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