研究課題
基盤研究(C)
本研究では、成体イモリの網膜再生機構を細胞・分子レベルで明らかにするための基礎として、1.細胞・分子マーカーを用いた網膜色素上皮(RPE)細胞の分化転換過程の解析、2. 分子機能操作による分化転換の主要分子経路の解析を行った。目的ごとの研究成果1. 網膜再生過程を9ステージに定義した。また、RPE細胞の分化転換過程には明確な脱分化状態がないことを明らかにした。2. (1) Pax-6、Chx10-1、Notchシグナリング分子、Neuregeninの機能解析(i)Notchシグナルが網膜再生におけるニューロン分化過程に必須であることを示した。(ii)成体イモリのRPE細胞がNeurogeninlとHes-1の両方を発現していることを明らかにした。(iii)眼球内のRPE細胞への発現ベクターのマイクロインジェクションを試みたが、細胞の生存率が極めて低かったため条件検討を継続している。(iv)Musashi1の機能不全が網膜変性の一因になることを突き止めた。(2)RPE細胞の無血清培養法をもちいたFGF2の機能解析無血清単離培養とeye-cup組織培養により(i)FGF2がRPE細胞の分化、増殖、全網膜ニューロンマーカー分子の発現を促進することを明らかにした。さらに(ii)RPE細胞の分化転換がMEK経路を介して誘導される可能性が高いこと、しかし(iii)その経路は胚や幼生期のもの(FGF2/FGFR-2/MEK/Pax6経路)とは異なっており、(iv)胚や幼生期に相当する経路は誘導後10日以内に再構築される可能性を示した。
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