研究概要 |
本研究は、興奮性神経細胞死に重要な役割を果たす、蛋白質の立体構造や生化学的情報に基づき、細胞内情報伝達を制御可能な蛋白質や阻害ペプチドをデザインし、蛋白質導入ドメインと融合することにより、脳梗塞治療可能な分子プローブの開発を目的としている。 研究実績としては、蛋白質導入法の導入効率を高める改良を行った。蛋白質導入法では、マクロピノサイトーシスで細胞内に高分子が取り込まれるが、取り込まれた後の細胞質への放出効率が問題となっていた。我々は、インフルエンザウイルスのHAIIペプチドを利用する事により効率を高める事を報告した。また、蛋白質導入法を用いてcalpain, TRPM7の阻害ペプチドの作成を行い、培養細胞レベルで虚血性神経細胞死の検証を行った。その過程で、効果的な細胞内導入阻害ペプチドをデザインし、培養細胞での虚血性神経細胞死での効果を認め、論文としても報告した。以上の結果より、本研究によりタンパク質導入法を用いた興奮性神経細胞死の制御が可能になったと考えられる。今後は、生体レベルでの応用が期待される。
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