研究課題
基盤研究(C)
多量の粘液様基質の沈着を示す神経上皮性腫瘍を10例抽出し、臨床病理学的に検討した。年齢は1歳から16歳までの小児9例、さらに24歳の症例1例を含めた。発生部位は、小脳に発生した1例を除いてすべてテント上部で、前頭葉と側頭葉に多い。既往にALLがある症例を3例含んでおり、このうち2例は頭部放射線照射が行われていた。組織学的には、多量の粘液様基質を背景に腫瘍細胞は網状、集塊状の増殖パターンを示し、血管中心性に増殖する傾向が認められる。腫瘍はhigh grade群とlow grade群に分けられ、high grade群7例中5例に未熟な細胞からなる要素が認められた。1例では腫瘍全体が未熟な小型細胞からなり、神経細胞系マーカーが陽性でprimitiveneuroectodermal tumor(PNET)に相当していた。また、未熟な要素とともにアストロサイトへの分化を示す領域がみられる症例が2例あり、未熟な要素と退形成を示すグリオーマ要素からなる腫瘍が2例みられた。他の2例は未熟な要素はなく、退形成を示し増殖能も高値でhigh grade astrocytomaに相当している。残りの3例はlowgrade群に分類され、pilomyxoid astrocytoma 1例とGFAP陰性の増殖能が低い星細胞腫様腫瘍1例および乏突起膠腫様腫瘍1例であった。粘液様グリオーマは、悪性度が高いものが多く、PNET様の未熟な要素を持つ腫瘍に粘液様基質の沈着を起こし易いことが明らかとなった。また、glioblastomaの亜型とみなされる症例もあった。未熟な小型細胞はO1g2またはS-100蛋白が陽性であることが多く、従来のPNETと異なる所見を呈していた。また、EGFRやp53蛋白の過剰発現は見られなかった。10例中3例にALLの既往があり、治療による二次性腫瘍または放射線誘発腫瘍として生じる可能性が示唆された。
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