研究課題/領域番号 |
17500229
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
加藤 信介 鳥取大学, 医学部, 准教授 (60194817)
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研究分担者 |
加藤 雅子 鳥取大学, 医学部, 助教 (80221183)
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キーワード | 脳・神経 / 病理学 / 変性疾患 / 筋萎縮性側索硬化症 / 神経成長因子 / 治療 / トランスジェニックマウス / 免疫組織化学 |
研究概要 |
筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis、ALS)は、有効な治療法確立が強く希求されている致死的神経変性疾患の代表である。本研究において、このALSに対する神経成長因子であるミッドカイン(MK)の有効性を確立した。昨年度までにヒトMK特異的モノクロール抗体とヒト・マウス・ラットのMKを認識するポリクローナル抗体の両抗体の作製成功に加え、変異SOD1-MK過剰発現ダブルトランスジェニックマウス(MK-ALS Tg)の作製にも見事に成功した。本年度は、このMK-ALS Tgマウスを使用して、ALSマウスと比べたところ、臨床的には、生存期間が延長していたことを確認した。また、MK-ALS Tgマウスの運動神経細胞において、MKの過剰発現を証明できた。運動神経細胞におけるMK過剰発現が、ALSストレスに対する神経細胞死を抑制していることを病理組織学的に解明できた。同時に、ヒト剖検例にてALS自然経過中に自己防衛機序としての内因性MK再発現機構の存在を証明出来き、ALSストレスが長期に及ぶと内因性MK再発現機構が破綻することも証明し得た。5系統すべてのALSモデル動物において、ALSストレスの加わったある一定期間は、残存神経細胞の一部では、内因性MKの再発現機構が強く保たれていることを証明出来た。我々の研究結果は、神経成長促進因子であるMKがALSによる運動神経細胞死を抑制することを証明し、同時にMKによるALSの新規治療法確立の可能性を結論づけ得た。
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