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2005 年度 実績報告書

孤発性ヤコブ病における異常型プリオン蛋白の生化学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 17500232
研究機関九州大学

研究代表者

佐々木 健介  九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (80380616)

研究分担者 岩城 徹  九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40221098)
キーワードプリオン病 / 孤発性ヤコブ病 / プリオン蛋白 / 電気泳動 / タイプ分類
研究概要

九州大学大学院医学研究院神経病理学分野において、1993年から2004年までに剖検した孤発性ヤコブ病45例のうち、凍結脳標本が利用可能な19例を対象として、異常型プリオン蛋白のタイプ分類をウェスタン・ブロット法により検討した。比較対象として、遺伝性ヤコブ病6例および硬膜移植による医原性ヤコブ病4例についても検討を行った。
孤発性ヤコブ病のうち1例はタイプ2の視床型であったが、残り18例はすべてタイプ1であった。大脳皮質も前頭、側頭、頭頂、後頭葉すべての領域から可能な限りサンプルを採取し、小脳や一部の症例では基底核、視床からも採取して検討したが、タイプ2の混在は認められなかった。英国における孤発性ヤコブ病では、大部分がタイプ1の異常型プリオン蛋白を示すが、約3割の症例でタイプ1とタイプ2の混在を示した(未発表データ)のに対し、日本の症例ではバリエーションの程度が小さいことが分かった。タイプ2を示す症例は非定型的な経過をたどることが多いため、これまでの症例のうち一部は剖検まで至らなかった可能性も残るが、プリオン蛋白遺伝子129番多型が日本人の場合にはMet/Metが約90%に偏っている、という欧米人との遺伝的背景の違いが、異常型プリオン蛋白の生化学的均質性を反映している可能性もある。
また、プリオン蛋白の糖鎖結合数(0-2)の異なる分子の割合が、孤発性ヤコブ病と医原性ヤコブ病では1>0>2の順に割合が大きいのに対し、遺伝性ヤコブ病では2=1>0の順で糖鎖修飾比率が異なっていた。検討した遺伝性ヤコブ病の中には、178、200、232番点変異の他、102番変異のGSS症例も含まれている。病理像も異なるこれらの症例において、糖鎖修飾比率が一様に孤発性ヤコブ病と異なることの背景に、何か遺伝性ヤコブ病に共通する要因があるものか、更なる検討が必要である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Quantitative analysis of neurofibrillary pathology in a general population to reappraise neuropathological criteria for senile dementia of the neurofibrillary tangle type (tangle-only dementia) : The Hisayama study.2006

    • 著者名/発表者名
      Noda K
    • 雑誌名

      Neuropathology (in press)

  • [雑誌論文] Fatal familial insomnia with an unusual prion protein deposition pattern : An autopsy report with an experimental transmission study.2005

    • 著者名/発表者名
      Sasaki K
    • 雑誌名

      Neuropathol Appl Neurobiol 31

      ページ: 80-87

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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