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2007 年度 実績報告書

神経修飾系として働く終神経のGnRH細胞群の入出力回路とその進化

研究課題

研究課題/領域番号 17500240
研究機関名古屋大学

研究代表者

山本 直之  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (80256974)

キーワード神経回路 / 脳 / 進化 / GnRH / 終神経 / 魚類 / 中脳
研究概要

1)昨年度作成したGnRH受容体に対する抗体を用い、スズキ型硬骨魚類であるドワーフ・グーラミーを材料として免疫組織化学を行なった。調査した3つの受容体サブタイプのうちGnRHR2は特徴的な分布をすることを示す予備的データを得ていたので、特にこのサブタイプに注目してその分布を徹底的に調査した。その結果、多数の免疫陽性細胞が視索前野に存在することが明らかとなった。視索前野には、GnRH細胞を含むさまざまな神経内分泌細胞が存在する。GnRHがGnRH細胞自身あるいは他の神経内分泌細胞に作用することにより下垂体制御に関わっていることを示唆している。免疫陽性細胞は二次内臓感覚核にも存在しており、内臓感覚の処理をGnRHが調節している可能性が考えられる。
2)コイ科魚類では、間脳の糸球体前核群から終神経GnRH細胞群に情報が伝わることを示唆するデータを昨年報告した。今年度はこの糸球体前核群の線維連絡の詳細を調べた。その結果、外側糸球体前核は視覚、聴覚、側線感覚を受けることがわかった。おそらく、これら複数の感覚が終神経GnRH系の活動を制御していると考えられる。この研究成果は国際学術雑誌に論文として掲載された。また、糸球体前核群の神経回路についての考察を著書(分担)の一部にも紹介し、学会発表を行なった。
3)今年度は新たに、軟骨魚類についての研究を行った。終神経GnRH細胞群への神経入力を調べるために、アカエイの終神経節にトレーサーを注入する実験を行なった。一般的な実験動物ではないために、動物の入手や実験操作法の確立などの問題から数例しか実験をおこなうことができず、残念ながらトレーサー注入の成功例を得ることができなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Visual, lateral line, and auditory ascending pathways to the dorsal telencephalic area through the rostrolateral region of lateral preglomerular nucleus in cyprinids2008

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto N, Ito H
    • 雑誌名

      The Journal of Comparative Neurology 508

      ページ: 615-647

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [学会発表] サカナの"大脳新皮質"について2007

    • 著者名/発表者名
      山本直之
    • 学会等名
      日本動物学会中部支部会
    • 発表場所
      三重大学
    • 年月日
      2007-07-01
  • [図書] 1章.魚(条鰭類)の終脳の構造 比較海馬学(渡辺茂・岡市広成編)2008

    • 著者名/発表者名
      山本直之
    • 総ページ数
      333(8-21担当)
    • 出版者
      ナカニシヤ出版

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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