研究課題/領域番号 |
17500254
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
上園 保仁 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (20213340)
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研究分担者 |
南 浩一郎 産業医科大学, 医学部, 講師 (70279347)
谷山 紘太郎 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70030898)
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キーワード | GABA_B受容体脱感作 / GRK4 / ketamine / 脱感作 / FRET / immunochemistry / 持続的鎮痛緩和 |
研究概要 |
近年、脊髄に存在するGABA_B受容体の活性化を目的として、アゴニストであるバクロフェンをくも膜下に投与する(髄腔内投与)方法が、モルヒネの効かない痛みに著効することが知られてきた。しかし持続投与により鎮痛効果が減弱することが報告されている。これはGABA_B受容体の脱感作によると考えられている。このGABA_B受容体脱感作にG protein-coupled receptor kinase 4(GRK4)というリン酸化酵素が関与していることが報告された。私たちはこれまでに、 ・GKR4は脊髄にGABA_B受容体とともに発現していることを確認し、・クローン化GRK4とGABA_B受容体発現細胞を用いて、GRK4によるGABA_B受容体の脱感作を分子レベルで解析できるアッセイシステムを構築した。現在このアッセイ系を用いて、GRK4活性を抑制し、結果的にGABA_B受容体脱感作を抑制する薬物のスクリーニングを行っている。その結果、麻酔薬ケタミンが、GABA_B受容体を持続活性化させることを見いだした。 平域17年度の研究においてはケタミンによる受容体持続活性化のメカニズムを分子レベルで解析した。これまでに 1)ケタミンはGRK4の細胞内運動、すなわち、バクロフェン刺激による細胞膜へのtranslocationを抑制することを共焦点レーザにより証明した。 2)さらにケタミンはバクロフェン刺激により促進される、GABA_B受容体とGRK4の蛋白複合体化をも抑制することを、a)Fluorescence Resonance Energy Transfer(FRET)可視化assayにより、加えて、b)免疫沈降によるウェスタブロットアッセイによって証明した。 3)また、バクロフェン長期投与ラットの摘出脊髄を用いた免疫染色アッセイにより、GABA_B受容体とGRKの局在を検討できる実験系を確立した。 次年度においては、 ・常法により作製した難活性疼痛モデルラットにバクロフェン長期髄腔内投与を行い、GABA_B受容体とGRK4の局在の変化を免疫染色アッセイにより検討すること、さらに ・実際ラットにバクロフェン+ケタミンを同時投与した際の持続性鎮痛効果の有無について、In Vivoで行動薬理学的解析を行う。加えて、摘出脊髄切片でのGABA_B受容体とGRK4の局在の変化を免疫染色アッセイにより検討する。 最終的には、 日本における緩和医療多施設共同研究チーム(SCORE-G)(代表施設:北里大学病院麻酔科)と共同で臨床活験が行えるようにその基盤となるデータをH18年度末までに蓄積したい。
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