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2005 年度 実績報告書

ベータアミロイド蛋白の細胞膜侵入に続く細胞内アクチン凝集と軸索輸送障害

研究課題

研究課題/領域番号 17500260
研究機関北里大学

研究代表者

比留間 弘美  北里大学, 医学部, 助教授 (10238397)

キーワード軸索輸送 / ベータアミロイド蛋白 / アクチン / 細胞骨格
研究概要

アルツハイマー病の主要原因物質であるベータアミロイド蛋白は、脳組織の細胞外に蓄積し神経細胞の変性を引き起こす。本申請者らは、細胞外に投与したベータアミロイド蛋白が細胞骨格蛋白であるアクチンを凝集させ、その結果、軸索輸送(神経細胞内の物質輸送を担う重要な神経細胞機能)が阻害されることを明らかにした。本研究では、細胞外のベータアミロイド蛋白がどのようにして細胞内のアクチンを凝集させるのかを明らかにすることを目的とした。培養ラット海馬神経のアクチンおよびベータアミロイド蛋白をそれぞれファロイディンと抗体を用いて蛍光標識し、蛍光顕微鏡下で観察したところ、ベータアミロイド蛋白が細胞膜を貫通し、細胞内でアクチンに直接結合していたことを見出した。このような現象は、ベータアミロイド蛋白の各種フラグメントを用いた実験においても観察された。ベータアミロイド蛋白及びこれらのフラグメントは細胞内アクチンを凝集させ、軸索輸送を障害させた。これらの実験から活性アミノ酸配列は31-35付近にあると推定された。さらに、人工細胞内環境下in vitroでアクチンとベータアミロイド蛋白をインキュベートし、両者を蛍光染色して観察したところ、アクチンにベータアミロイド蛋白が結合する可能性を示唆するデータが得られた。今後、SDS-PAGEゲル電気泳動等を用いて、アクチンとベータアミロイド蛋白の結合の有無を確認する予定である。以上より、細胞外のベータアミロイド蛋白が直接細胞内アクチンと結合し、その結果、アクチンが凝集し軸索輸送を障害させることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Effects of soluble laminin on organelle transport and neurite growth in cultured mouse dorsal root ganglion neurons : difference between primary neurites and branches2005

    • 著者名/発表者名
      Kohno K, Kawakami T, Hiruma H
    • 雑誌名

      Journal of Cellular Physiology 205(2)

      ページ: 253-261

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Neurotoxicity of intrathecally administered bupivacaine involves the posterior roots/posterior white matter and is milder than lidocaine in rats.2005

    • 著者名/発表者名
      Takenami T, Yagishita S, Murase S, Hiruma H, Kawakami T, Hoka S
    • 雑誌名

      Regional Anesthesia and Pain Medicine 30(5)

      ページ: 464-472

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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