研究課題
1.酸化型ガレクチン-1による軸索再生促進の機構解明免疫組織化学により、成熟ラット脊髄後根神経節(DRG)のグリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)依存性小径ニューロン(GDNF受容体RETやGFRαを発現)にガレクチン-1が強く発現していることを明らかにした。またDRGニューロンの分散培養系で、ニューロンならびにシュワン細胞からガレクチン-1が分泌され、酸化型に変換された後マクロファージに結合することを明らかにした。ラット腹腔マクロファージの培養系に酸化型ガレクチン-1を投与することにより、インターロイキン6(IL-6)や脳由来神経栄養因子(BDNF)のmRNA発現が有意に上昇した。マクロファージを介した酸化型ガレクチン-1の軸索再生促進作用について、さらに詳しく検討している。2.毛様体神経栄養因子(CNTF)による軸索再生促進の機構解明培養液中に投与したリコンビナント・ラットCNTF(50ng/ml)は、分散培養されたDRGニューロンの生存や神経突起伸長を有意に促進し、この効果は抗CNTF抗体(50μg/ml)の同時投与により消失した。CNTF投与5-30分後に転写因子STAT3、ERK、Aktの各リン酸化誘導がみられた。さらにCNTFによる突起伸長促進効果は、Tyrosine kinase(JAK)阻害薬AG490、MAP-kinase阻害薬PD98059、PI3-kinase阻害薬LY294002の各投与により減弱〜消失した。以上よりCNTFの軸索伸長促進作用には、JAK-STAT3、MAPK・ERK、PI3K-Aktの各シグナル伝達系が関与している可能性が示唆された。(第30回日本神経科学大会(平成19年9月、横浜)にて発表予定)
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