研究課題/領域番号 |
17500268
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
|
研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
前田 信明 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (90202308)
|
研究分担者 |
石井 万幾 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (50415535)
秦 敏宏 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (30370977)
金子 美華 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (00323163)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
キーワード | コンドロイチン硫酸 / プロテオグリカン / 小脳 / 大脳 / 硫酸転移酵素 |
研究概要 |
PTPζは、脳特異的に発現する受容体型チロシンボスファターゼであり、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンとして生合成される。我々は、本分子がDelta様の細胞外領域を持つ膜蛋白質、DNERと相互作用することを見い出した。 PTPζは、ヘパリン結合性成長因子であるプレイオトロフィンをリガンドとして情報伝達する。そこで、PTPζを発現するNeuro-2A神経芽細胞にDNERを強制発現させ、プレイオトロフィン刺激の効果を解析した。その結果、プレイオトロフィン刺激は、DNERのエンドサイトーシスを抑制し、本分子の細胞膜への蓄積を促進した。また、DNERはNeuro-2A細胞のレチノイン酸依存的な細胞分化を抑制したが、プレイオトロフィン刺激は、これを脱抑制し、細胞分化を促進した。DNERはNotchのリガンドとして機能し、神経細胞の分化に重要な役割を果たしていることが知られている。PTPζ-プレイオトロフィン情報伝達は、DNERのチロシン燐酸化状態を規定することによって、本分子の細胞膜への提示とエンドサイトーシスを調節し、DNER-Notch情報伝達の強度を制御している可能性が考えられる。 また、PTPζのコンドロイチン硫酸部分は、PTPζ-プレイオトロフィン情報伝達の必須構成要素となっている。本研究で我々は、コンドロイチン硫酸のD構造(GlcA(2S)β1-3GalNAc(6S))が、本受容体とプレイオトロフィンとの親和性の決定因子となっていることを見いだした。今後、D構造の発現量の変異が、PTPζ一プレイオトロフィン/Delta-Notch情報伝達の調節にどのような影響を及ぼすかを解析する予定である。
|