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2006 年度 実績報告書

空間座標の二次元的変化に対する到達運動学習への大脳運動前野腹側部の関与

研究課題

研究課題/領域番号 17500269
研究機関弘前大学

研究代表者

蔵田 潔  弘前大学, 医学部, 教授 (30170070)

キーワード到達運動 / 視覚座標系 / 運動座標系 / 座標変換 / 大脳皮質 / ニューロン活動 / 最適運動 / 利得制御
研究概要

視覚空間と運動空間の座標系をシフトプリズムによりオフセットを変更したときや、それら座標系間の倍率(利得)を変更したとき、短時間にこれらの変化に適応できる能力をヒトやサルは有している。この脳内機構を調べるため、サルに以下の課題を訓練した。二次元運動計側システムでモニターした手先運動座標の倍率およびオフセットを変化させてディスプレイ上に表示することにより、視覚座標系と運動座標系を乖離させた。視覚座標上での到達目標と対応する運動とが同一の距離にあるときの関係を「1倍」と定義した。中心の保持ゾーンから到達目標点への直線的で、運動速度がベル型の最適化運動をすることが確認できた。その上て、視覚座標系と運動座係系の利得を1倍より大きく、あるいは小さく変更したとき、約10回の試行で運動と目標点との誤差が小さくなるとともに、運動の最大速度が一定レベルに収束するヒトと相同の適応を見せた。
この課題遂行中のサルから一次運動野およひ運動前野腹側部からニューロン活動記録を行った。運動前野腹側部ては(1)運動関連活動が利得によらず視覚空間座標上の到達目標の位置に依存した活動を示すもの、(2)利得に依存し運動座標系を反映するもの、あるいは(3)その中間に位置するニューロン活動を同定した。(1)のような活動は一次運動野では極めて少数であった。さらに、課題遂行中の眼球運動をモニターするとともに、手運動開始後の運動遂行中にカーソル制御することにより、視覚フィードバックの有無と眼球運動がニューロン活動に影響を与えているかどうかを調ぺた。その結果、記録された運動関連活動にはこれらの効果が小さいことを確認した。このことは、運動前野腹側部が、一定の視覚空間情報から手の運動に変換する過程で、視覚フィードバックや眼球運動には依存しない利得制御可能な座標変換系として機能していることを示唆している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 大脳小脳連関2007

    • 著者名/発表者名
      蔵田 潔
    • 雑誌名

      Brain Medical 19

      ページ: 47-52

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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