研究概要 |
1.STZ誘発糖尿病ラット(type1モデル)心筋では、PKCε活性化の促進に伴い、細胞間連結低下(細胞間電気的抵抗の増大、細胞間興奮伝播速度の低下、高分子物質細胞間透過性減少)、Cx43蛋白量の減少、Cx43のgap junctionでの発現減少が観察された。これらのCx43発現異常はPKC inhibitor, Lysosomal inhibitor, Proteasome inhibitorで改善された。 2.TypeII糖尿病ラット心筋においてもTypeIと同様の結果が得られた。 3.PMA処理ラット心筋(PKC活性化促進)でも糖尿病心筋と同様の結果が得られた。 4,糖尿病心筋、PMA処理心筋では、aconitine誘発心筋細動の易発生が見られた。 5.PKA活性化促進によりCx43のPKA依存性燐酸化促進、細胞間連結の促進、Cx43蛋白量の増加、Cx43のgap junctionでの発現促進、不整脈発生の抑制が観察された。 心筋Cx43はPKC依存性燐酸化の促進によりproteasome, lysosome pathwayを介するproteolytic degradationを受け易くなること、このCx43のremodelingはarrhythmogenesis(不整脈発生)の素地となることが判明した。PKA依存性燐酸化促進はCx43のassembly促進、degradation抑制する可能性が示唆された。
|