研究課題
基盤研究(C)
関節リウマチは関節炎を主徴とする全身症状を伴う自己免疫疾患であり、発症には複数の遺伝子座が関与することが知られている。我々はHTLV-1のtaxを発現するTg(HTLV-I-Tg)マウスとIL-1RaKOマウスの2種類の関節リウマチのモデルマウスを独自に開発し、発症機構の解析を行ってきた。その中で、マイクロアレイ解析を行った結果、約200の遺伝子が両方のモデルで共通に発現亢進していることを見いだした。興味深いことに、これらの遺伝子の中にはC型レクチン遺伝子が含まれていることがわかった。関節リウマチにおけるC型レクチンの役割はこれまで知られておらず、新たな創薬のターゲットとなる可能性が高い。本研究では関節リウマチの治療薬の新しい標的分子を見つけることを最終目標として、関節炎で発現の亢進していたC型レクチンの遺伝子欠損マウスを作製し、これを我々の開発した関節炎モデルマウスと組み合わせることにより、関節炎発症における役割の解明を行う。17年度は、新しく作製したKOマウスをBALB/cとC57BL/6Jマウスにそれぞれ8世代戻し交配し、実験動物として確立するとともに、基本的な性質の解析を行った。その結果、これらのC型レクチン遺伝子のKOマウスは見かけ上正常で、繁殖能力も正常であった。さらに、脾臓、リンパ節などの2次リンパ組織におけるT細胞、B細胞などの細胞比にも変化は認められなかった。さらにin vitor, in vivoにおける抗原提示能も野生型マウスと同等であった。18年度は種々の微生物に対する反応性や、関節炎の誘導実験を行う予定である。
すべて 2006
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Ernst Schering Res Found Workshop.: 56
ページ: 129-153