研究概要 |
まず素処理した細胞からミトコンドリアDNAを精製して、そのPCR産物の拡散係数から酸化的ストレスによる損傷の程度を推定できることを指摘した(Nomura et.al., Anal Biochem 2006)。さらにミトコンドリア遺伝子変異のホットスポットに注目して、制限酵素処理による断片長分布を蛍光相関分光の多成分解析によって簡便に推定できるようにした(Nomura et al., Exp Mol Pathol 2006)。またミトコンドリアそのものを緑色蛍光タンパクでラベルして観察すると、酸化的ストレスはミトコンドリアDNAだけでなく、ミトコンドリアの形態に影響を与えているように見えた。しかしミトコンドリアは大変複雑な形態であり、その変化を客観的に評価することは困難であった。そこで画像処理によるミトコンドリアの形態の定量解析法を提案した。さらにミトコンドリア病の新たな診断法を確立するために、ミトコンドリア自身の複雑な形態変化とミトコンドリアDNAのダイナミックな移動を蛍光波長の異なる色素でラベルして同時に観察し、画像相関分光解析を行っている。
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