研究課題/領域番号 |
17500300
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
馮 忠剛 山形大学, 工学部, 助教授 (10332545)
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研究分担者 |
中村 孝夫 山形大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00142654)
梅津 光生 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90132927)
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キーワード | 細胞組織工学 / 心筋細胞3次元培養 / 細胞粘着分子 / インターアクション / 遺伝子転移 / 電気-応力刺激 |
研究概要 |
本研究は研究実施計画に従って、順調に進んでいる。今年度の研究成果は以下のように要約される。 (1)心筋細胞膜上にある足場との相互作用を強化する機能分子の発現促進について、選定された4つの粘着分子と2つのTranscription factorのラット胎児心筋、新生児心筋、体外培養心筋における発現を調べた。その結果、ラット心筋の成長とともに選定された粘着分子・Transcription factorの発現は多くになる一方、体外培養心筋では細胞間粘着分子と2つのTranscription factorとの発現は減少する傾向が分かった。これにより、来年度の研究方向は心筋細胞N-CadherinとSRF(Serum Response Factor)の発現を促進することに決まった。 (2)3次元コラーゲンゲル足場に添加物を与えることによって、3次元構造内への高培養液浸透性を得、培養液の供給と老廃物の代謝を改善する。コラーゲンを主成分とし、さらに細胞-細胞外マトリックス間の相互作用をin vivoに近づけるため、ヘパリンやアルブミン・フィブリノーゲン・フィブロネクチンを加えた。ヘパリン・アルブミンを加えたシートは、培養液浸透性は高くなった。また、シート耐圧強度の変化も見られ、シート成分を変えることでシートの性質と細胞との相互作用を制御する可能性を考えられる。 以上の2点については、今までの研究報告には見当たらず、本研究での新知見であることと考えられる。 (3)組織工学的3次元心筋構築方法について、コラーゲン支持体に基づく3次元リング状の培養心筋再生組織を作製した。作製した培養心筋再生組織に電気刺激と応力を与え、その拍動能の向上を図った。また、リング状培養心筋再生組織の拍動力を測定するために、オリジナルな微小拍動力の測定方法を開発し、異なる条件下の培養心筋再生組織の拍動力の比較を成功した。 来年度は、これらの成果に基づき、3次元コラーゲンゲル支持体内多細胞培養系の構築、胎児心筋細胞の遺伝表現型の調節、電気-応力バイオリアクタの改良及び最適な培養パラメーターの解明を解決していぐ予定である。
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